Gemini APIでは、2026年10月26日以降に作った有料枠の新規プロジェクトで、文章生成の呼び出しが最初から保存される設定(store=true)になりました。対象はgenerateContent・streamGenerateContent・batchGenerateContentの3種類です。止めるには、呼び出しごとにstore=falseを指定するか、AI Studioの「Logs and Datasets」の「Settings」パネルでGenerate Content APIのログをオフにします。保存期間は初期値が55日で、7日・14日・28日・55日から選べます。
この記事は、2026年10月27日(日本時間)にS.EarchのYouTubeチャンネルで公開された無料動画「Gemini APIのログが最初から保存に|10月26日以降の新規プロジェクトの止め方と保存期間」の無料公開部分(冒頭から約5分半)を核にしています。設定の名前や条件は、2026年10月27日に確認したGoogleの公式ページ3つの記載で裏付けた範囲に限っています。
Gemini APIのログ保存で何が変わったか
Gemini APIのログ保存とは、APIに送った依頼とモデルの答えを、プロジェクトの記録としてGoogle側に残す機能のことです。残った記録はAI Studioの「Logs」ページで見返せます。今回の変更で、文章を生成する呼び出しも、新しいプロジェクトでは最初から記録される状態で始まります。
Gemini APIの更新履歴(changelog)の2026年10月26日の項と、Logs and datasetsの公式ページの記載を整理すると、次のとおりです。
| 呼び出しの種類 | 2026年10月26日以降に作った新規プロジェクト | それより前に作ったプロジェクト |
|---|---|---|
| Generate Content API(generateContent・streamGenerateContent・batchGenerateContent) | 最初から保存(store=true) | これまでの設定のまま。AI Studioで有効にしていなければ保存しない(store=false) |
| Interactions API | 最初から保存 | 最初から保存(公式ページに、両方のAPIが標準で保存すると書かれている) |
動画では、この変更を「新しく買った電話に、通話の録音が最初からオンで入っている状態」にたとえていました。録音が役に立つ場面もあれば、残したくない会話もあります。だから、オンのまま使うか、止めるか、何日残すかを、プロジェクトごとに自分で決めておく、というのが動画のゴールです。
自分のプロジェクトは対象か
次の3つを順に見れば、対象かどうかが分かります。
| 見ること | 公式ページの記載 |
|---|---|
| 有料枠のプロジェクトか | ログの保存は、Gemini APIの有料枠(請求を有効にしたプロジェクト)でだけ使える(Logs and datasets)。無料枠のプロジェクトについて、これ以上の説明はこの3ページには見当たらない |
| いつ作ったプロジェクトか | 2026年10月26日以降に作ったものは、Generate Content APIが最初から保存。それより前のものは、AI Studioで有効にしていなければ保存しない |
| どの呼び出しを使っているか | ログの対象は、GenerateContent・BatchGenerateContent・StreamGenerateContent・Interactions API(Managed Agentsを除く)。OpenAI互換のエンドポイント経由の呼び出しも含まれる |
公式ページは、ログの対象外になる呼び出しも挙げています。ImagenとVeoのモデル、Geminiの埋め込みモデル、Gemini Roboticsモデル、動画・GIF・PDFを含む入力、公開プレビューのエージェントです。これらを使う場合は、そもそもログが残らない側にあります。
止め方1|呼び出しごとに store=false を指定する
1回ごとの依頼を残したくないときは、その呼び出しの設定にstoreをfalseで渡します。公式ページによると、呼び出しごとのstoreの指定は、プロジェクト全体の設定より優先されます。PythonとJavaScriptの書き方は、公式の例に合わせると次のとおりです。
# Python(Generate Content API)
from google import genai
client = genai.Client()
response = client.models.generate_content(
model=MODEL_NAME, # 使っているモデル名
contents=PROMPT, # 送る内容
config={'store': False} # この呼び出しは保存しない
)
// JavaScript(Generate Content API)
import { GoogleGenAI } from '@google/genai';
const client = new GoogleGenAI({});
const response = await client.models.generateContent({
model: MODEL_NAME, // 使っているモデル名
contents: PROMPT, // 送る内容
config: {
store: false // この呼び出しは保存しない
}
});
Generate Content APIでstoreを指定するには、SDKの版に条件があります。公式ページの記載では、Pythonのgoogle-genaiは2.33.0以降、JavaScriptの@google/genaiは2.31.0以降です。JavaとGoの最低版も同じページに載っています。古い版を使っていると指定できないので、先に版を確かめてください。
Interactions APIでは、同じstoreを呼び出しの引数として渡します(Pythonならstore=False)。書き方はLogs and datasetsの公式ページに言語別の例があります。
止め方2|AI Studioの設定でプロジェクトごとオフにする
呼び出し側のコードを直さずに止めたいときは、AI Studioの設定を使います。公式ページには、次の手順が書かれています。
- Logsページを開く:AI Studioの「Logs and Datasets」ダッシュボードを開きます。
- プロジェクトを選ぶ:画面のドロップダウンから、対象のプロジェクトを選びます。
- Settingsパネルを開く:Generate Content APIのログ(generateContent)のスイッチをオフにします。
公式ページによると、generateContentとInteractions APIのログは、それぞれ別々にオン・オフを切り替えられます。画面名は公式ページの英語の表記で、日本語の画面でどう表示されるかは、この記事では確認していません。自分の画面で確かめてください。
| やり方 | 向いている場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 呼び出しごとの store=false | 個人情報を含む依頼など、特定の呼び出しだけ残したくない | SDKの版の条件がある。呼び出しの数だけ書き足す |
| AI Studioの設定でオフ | そのプロジェクトのGenerate Content APIを、まとめて残したくない | Interactions APIのログをオフにすると、会話の履歴を自動で保存・取り出す仕組みが止まる(呼び出しごとに指定した場合を除く) |
すでに保存されたログが、設定をオフにしたあとどう扱われるかは、この記事で確認した3つの公式ページ(更新履歴・Logs and datasets・ログの方針)には書かれていません。気になる場合は、止める前の記録が残っていないかをLogsページで見てください。
保存期間は7日・14日・28日・55日から選ぶ
ログの方針のページ(最終更新は2026年10月26日と表示)には、ログは初期値で最長55日保存され、その後は自動的に削除の対象になると書かれています。プロジェクトごとの保存期間は、AI Studioで7日・14日・28日・55日に変えられます。
残したいログがある場合は「データセット」に保存する方法があります。公式ページによると、データセットに入れたログには保存期間の決まりがありません。CSV・JSONL・Googleスプレッドシートに書き出すこともできます。
残すかどうか、何日残すかは、動画で紹介されていた次の2つの質問で考えると決めやすくなります。これは公式の推奨ではなく、動画での考え方です。
| 質問 | 「はい」のとき | 「いいえ」のとき |
|---|---|---|
| あとで見返して、依頼や設定を直したいか | 期間を決めて残す | 残さなくてよい |
| 送る情報は重いか(お客様の名前・連絡先など) | store=falseを付けて残さない | 残す場合の期間を選ぶ |
例えば、答えの質を直すために見返したいテスト用なら、短い期間で残します。お客様の名前や連絡先を含む本番の呼び出しには、保存しない指定を付けます。この組み合わせで、プロジェクトごとに迷わず決められます。
共有するかどうか|ログは自分用、データセットの共有は別
ログの方針のページによると、ログはプロジェクトの持ち主が自分の目的で使うためのものです。Googleに渡すかどうかは、別の選択になっています。
- ログを入れたデータセットや、ログを見返したときのフィードバックをGoogleに共有できる
- データセットを共有すると、そのログは「Unpaid Services(無償サービス)」の規約で扱われ、Googleの製品やモデルの改善・学習に使われることがある。ログを見返したときの評価や自由記述のフィードバックも、公式ページでは改善とモデルの学習に向けて提供できるデータとして挙げられている
- 共有した内容を、人が読む場合がある。その前にGoogleアカウント・APIキー・Cloudプロジェクトとの結び付きを外す手順がある、と書かれている
- 個人情報、機密情報、取引先の情報は含めないよう、公式ページが繰り返し注意している
同じページには、請求を有効にしたプロジェクトのログは、標準では製品の改善や開発に使われないとも書かれています。保存されることと、改善に使われることは別の話として書かれています。
プロジェクトごとの確認表を作る(説明用の架空例)
ここからは動画の例を使います。問い合わせへの返信の下書きを作る社内ツールにGemini APIを使っている、架空の小さな会社の例です。名前や日付はすべて説明用の例です。
表は5つの欄で作ります。1つでも空欄があれば、その欄が次に確かめる場所です。
| 欄 | どこで確かめるか |
|---|---|
| プロジェクトの名前 | AI Studioのドロップダウンの表示 |
| 作った日 | 2026年10月26日より前か後か(自分のプロジェクトを作った日の記録で確認) |
| 保存のオン・オフ | LogsページのSettingsパネルの表示 |
| 保存期間 | 7日・14日・28日・55日のどれか。オフなら「なし」 |
| store=falseを付ける呼び出し | 自分のコードで、お客様の文章をそのまま送っている呼び出し |
作り方は4手順です。
- プロジェクトを選ぶ:Logsページのドロップダウンから、対象のプロジェクトを選びます。ログが表示されるには、そのプロジェクトに有効なAPIキーが1つ以上必要です。キーをすべて消すと、ログが見えなくなります。
- 設定を見る:Settingsパネルで、Generate Content APIのログがオンかオフかを見ます。
- 残さない用途を決める:プロジェクトごとオフにするか、残したくない呼び出しだけにstore=falseを付けます。
- 残す用途の期間を選ぶ:7日・14日・28日・55日から選びます。
架空の会社の完成例は次のとおりです。
| プロジェクトの名前 | 作った日 | 保存のオン・オフ | 保存期間 | store=falseを付ける呼び出し |
|---|---|---|---|---|
| 返信下書き(本番) | 2026年9月 | 設定画面で見たとおりに書く(前の設定のまま) | オンだった場合だけ書く | お客様の問い合わせ文をそのまま送る呼び出し |
| 返信下書き(テスト) | 2026年10月27日 | 最初からオンの可能性があるので画面で確認 | 7日(一例) | なし |
本番用は、10月26日より前に作ったので、これまでの設定が続きます。画面を見て、そのまま書きます。公式ページでは、呼び出しごとのstore=falseがプロジェクト全体の設定より優先されるので、あとでAI Studioでログを有効にしても、お客様の文章を送る呼び出しだけは残りません。テスト用は新しいプロジェクトなので、保存が最初からオンになっている可能性があります。画面で確かめ、答えの質を直したいので短い期間で残す、と書きます。日数は一例です。
よくある質問
- Q1. 無料枠のプロジェクトでもログは保存されますか?
- Logs and datasetsの公式ページには、ログの保存は有料枠のプロジェクトでだけ使えると書かれています。無料枠のプロジェクトの扱いについて、それ以上の説明は確認した3つのページには見当たりませんでした。
- Q2. 10月26日より前に作ったプロジェクトも、保存が始まりましたか?
- 公式ページによると、それより前に作ったプロジェクトは、Generate Content APIについてこれまでの設定のままです。AI Studioで有効にしていなければ、保存されません。
- Q3. store=falseを付ければ、プロジェクトの設定がオンでも保存されませんか?
- 公式ページには、呼び出しごとのstoreの指定がプロジェクト全体の設定より優先されると書かれています。SDKの版が条件を満たしているかを先に確かめてください。
- Q4. ログの画面に何も表示されないのはなぜですか?
- 公式ページには、ログの表示にはそのプロジェクトに有効なAPIキーが1つ以上必要だと書かれています。また、10月26日より前に作ったプロジェクトは、先に設定でGenerate Content APIのログを有効にしないと表示されません。
- Q5. ログを残すと、Googleのモデルの学習に使われますか?
- ログの方針のページには、請求を有効にしたプロジェクトのログは、標準では製品の改善や開発に使われないと書かれています。データセットとして共有した場合は、無償サービスの規約で扱われ、改善や学習に使われることがあります。評価や自由記述のフィードバックも、公式ページでは改善と学習に向けて提供できるデータとして挙げられています。共有する場合は個人情報や機密情報を含めないでください。
まとめ|新しいプロジェクトは「止める・残す・何日残す」を最初に決める
2026年10月26日以降に作ったGemini APIの有料枠のプロジェクトでは、文章を生成する呼び出しも最初から保存されます。止めるには、呼び出しごとのstore=falseか、AI Studioの設定を使います。残す場合は、7日・14日・28日・55日から保存期間を選びます。プロジェクトの名前、作った日、保存のオン・オフ、保存期間、store=falseを付ける呼び出しの5欄を表に埋めて、チームで同じ設定を確かめられるようにしておきましょう。
流れは、2026年10月27日公開の無料動画でも確認できます。ほかの動画記事はS.Enseのトップページから読めます。
この記事は、2026年10月27日公開の無料動画のうち無料で見られる部分と、2026年10月27日に確認したGoogleの公式ページ(Gemini APIの更新履歴、Logs and datasets、ログの方針)の記載をもとにしています。会社とプロジェクトは説明用の架空の例です。仕様と提供の条件は更新されることがあるため、設定を変える前に公式の最新の記載を確認してください。

