OpenAIのprompt-to-voiceを使うと、「落ち着いた成人の声。発音は明瞭に、話す速さはゆっくり」のような文章から声を作って保存し、GPT-Liveの別の会話でも同じ声を指定できます。手順は、①声の説明文と読み上げ原稿を分けて用意する、②APIかvoice Playgroundで声を作る、③返ってきたvoice IDを元の説明文と一緒に保存する、④GPT-Liveの新しいセッションでそのIDを指定して聞く、の4つです。声を作ること自体は無料で、試聴を含む発話にはGPT-Liveの通常のセッション料金がかかります。OpenAIは2026年10月16日のAPI changelogで、この機能を全API顧客に提供したと案内しています。
この記事は、2026年10月17日(日本時間)にS.EarchのYouTubeチャンネルで公開された無料動画「【新機能】社内案内の声を文章で作って保存。GPT-Liveで同じ声を使うには」の無料公開部分(冒頭から約6分半)を核にしています。機能・料金・利用条件は、2026年10月17日に確認したOpenAI公式のAPI changelog、ガイド「Custom voices」、料金ページの記載で裏付けた範囲に限っています。
prompt-to-voiceとは|2026年10月16日の更新内容
prompt-to-voiceとは、声の特徴を文章で説明するだけで、OpenAIのGPT-Liveで使える声を作って保存できる機能のことです。録音した見本の声や、本人の同意録音は必要ありません。保存した声にはvoice IDという識別子が付き、別の会話でもそのIDを指定すれば同じ声で話させられます。
名前が似ているので整理しておくと、GPT-LiveはOpenAIのAPIで音声の会話を作るための製品名で、prompt-to-voiceはその中で声を用意するために今回加わった機能の名前です。動画では、声を役者に、読み上げる文章を台本にたとえていました。台本を差し替えても、保存した声を指定すれば同じ役者にお願いできる、というイメージです。
| 項目 | 公式の記載(2026年10月17日確認) |
|---|---|
| 提供開始 | API changelogのOct 16の項目で、prompt-to-voiceを全API顧客(all API customers)に提供と案内。APIまたはvoice Playgroundで作成し、GPT-Liveのセッションで再利用できる |
| 使える場所 | 文章から作った声はGPT-Live専用。Text to Speech API、Realtime API、Chat Completions APIでは使えない |
| 作成の料金 | 声の作成は無料。GPT-Liveでの発話は通常のセッション料金 |
| 保存できる数 | 文章から作った声は1組織あたり100件が上限(アプリが顧客向けに声を用意する場合も同じ上限)。Custom voices |
| 利用のルール | 成人の声を使う(子どもの声は不可)。実在の人物・著名人・架空キャラクターの声まねを頼まない。聞き手にAIで作った音声だと伝える |
出典:OpenAI API changelog(Oct 16の項目)、Custom voices
同じ日のchangelogでは、GPT-Liveに既成の声9種が追加され、日本語の声として「Harema」と「Shida」が載っています。これはOpenAIが用意した声で、prompt-to-voiceで自分で作る声とは別物です。また、ChatGPTアプリの音声会話で選べる「ひまり」「りんどう」は、ChatGPT Voiceの声でAPIの声ではありません。アプリでの声の使い方はChatGPT Voiceで営業の説明を練習する方法で紹介しています。
作る前に決めること|聞いた人が動けるかを完成の基準にする
動画では、今回のゴールを「備品返却の案内に使う声を一つ作り、呼び出すための識別子まで保存すること」に絞っていました。用件を一つに決めておくと、声が良いかどうかではなく、案内として使えるかどうかで判断できます。
試し読みには、次のような原稿を使います。これは説明用の架空の社内ルールです。
備品の返却は、受付横の返却箱へお願いします。返却したら、管理表の状態を返却済みに変更してください。破損がある場合は、返却箱へ入れる前に担当者へ連絡してください。
この原稿には、返却場所、管理表の操作、破損時の連絡という3つの情報が入っています。落ち着いた心地よい声でも、管理表の操作を聞き落とされたら案内の仕事は終わりません。試聴では、元の原稿と照らして次の3点が聞き取れるかを確かめます。
| 確かめること | 聞き取れれば合格の内容 |
|---|---|
| 場所 | 返却先が「受付横の返却箱」だと分かる |
| 操作 | 返却後に管理表を「返却済み」へ変えると分かる |
| 順序 | 破損があるときは、箱へ入れる前に担当者へ連絡すると分かる |
なお、保存するvoice IDは「その声を呼ぶための識別子」で、読み上げ済みの音声ファイルとは役割が違います。動画では「声の名前札を保管する」とたとえていました。公式ガイドにも、作成時の応答にはIDや作成時刻、元の説明文などのメタデータが入り、音声やプレビューは含まれないと書かれています。
作成から試聴までの4工程
ここからは、OpenAI APIを利用できる環境があることを前提に進めます。
- 材料を2つに分けて用意する:声の説明文(例:「落ち着いた成人の声。発音は明瞭で、話す速さはゆっくり」)と、読み上げ原稿(上の返却ルール)を別々に書きます。説明文は声の印象だけ、原稿は話す中身だけにします。
- 声を作る:voice Playground(OpenAIの管理画面にある声の作成画面)で作るか、APIの
/v1/audio/voicesにtypeをpromptとしてリクエストを送ります。公式ガイドでは、リクエストが成功するたびに新しい声が一つ保存されると説明されています。 - voice IDと元の説明文を一緒に保存する:公式ガイドは、返ってきた
idを保存し、元の声の説明文も残しておくよう案内しています。後で同じ声を使うときに、説明文も必要になるためです。 - 新しいGPT-Liveのセッションで聞く:セッションの設定で
audio.output.voice.idに保存したIDを指定し、会話の指示(instructions)には元の声の説明文を添えます。そのうえで返却原稿を話させ、上の3点を照らします。
公式ガイドに載っているリクエストの形は次のとおりです(説明文の部分を、自分の用途に合わせて書き換えます)。
POST https://api.openai.com/v1/audio/voices
{
"type": "prompt",
"name": "備品返却の案内役",
"prompt": "(ここに声の説明文)",
"model": "auto"
}
公式ガイドの説明文の例はすべて英語で、声の特徴として訛り(Accent)・年齢・高さ(Pitch)・声質・話す速さなどを文章で書く形になっています。日本語で説明文を書いた場合の仕上がりについて、公式ガイドに例は載っていません。作った声は自分の用途で聞いて確かめてください。
3点が聞き取れたら、同じ原稿のまま話す速さだけを変えた説明文で声をもう一つ作り、聞き比べます。公式ガイドも、特徴は一度に一つだけ変え、同じ短い文章と数回のやり取りで比べるよう勧めています。別の声を試すときは、新しいセッションを始めてそのIDを指定します。声はセッションの開始時に選ぶ仕組みだからです。
料金と利用条件|作成は無料、聞くと課金される
| 場面 | 公式の記載(2026年10月17日確認) |
|---|---|
| 声を作る | 無料(Creating a prompt-generated voice is free) |
| Playgroundで試聴する | GPT-Liveのセッションが動くため、通常のセッションとして課金される |
| GPT-Liveで話させる | 料金ページでは、gpt-live-1の音声セッションは1分あたり$0.05。1分単位に切り上げず秒単位で課金。裏側で使うモデルやツールの利用は別に課金 |
| データ保持の設定 | /v1/audio/voicesでの声の作成は、Zero Data Retention(データを保持しない設定)に対応していない |
出典:OpenAI API Pricing(GPT-Live sessions)、Custom voices
ここに載っているのはOpenAI APIの料金です。ChatGPTの月額プランを契約していても、APIの利用料金は別に確認する必要があります。動画でも、試聴を含む発話にはGPT-Liveの料金がかかるので、ChatGPTの月額契約とは分けてAPI側の課金条件を確認するよう案内していました。
声の演出と業務ルールは別の場所に書く
落ち着いた声ができると、「これで返却の質問にも答えられる?」と考えたくなります。ですが、声の説明文が受け持つのは「どんな印象で話すか」だけです。何を根拠に、どこまで答えてよいかは、別に決めます。公式ガイドも、答えの長さや割り込み、引き継ぎのタイミングといった会話のルールはGPT-Liveのセッションの指示(instructions)に書くよう案内しています。
| 書く場所 | 書くこと | 例(動画の依頼文) |
|---|---|---|
| 声の説明文(作成時) | 用途と、望む声の印象 | 社内の手順案内に使う、落ち着いた成人の声。発音は明瞭で、話速はゆっくり。聞き手を急かす印象を避けたい |
| 会話の指示(セッション) | 答えの根拠、説明の順番、答えてはいけないこと | 返却場所を先に伝える。資料にない連絡先は補わない |
動画のたとえでは、役者に渡す「声の演出」と、案内係に渡す「業務マニュアル」を分ける感覚です。優しい声で、存在しない受付時間を答えられても、業務では使えません。この2つを分けておくと、直したいのが聞こえ方なのか、答えの中身なのかで、手を入れる場所を選べます。
質問を3つ投げて回答の範囲を確かめる
会話の指示は、実際に質問される場面まで想像して書きます。動画で紹介していた依頼文は次のとおりです。
あなたは備品返却の案内役です。以下の架空の手順だけを根拠に答えてください。最初に返却場所、次に管理表の操作を説明してください。破損の相談が出た場合は、返却箱へ入れる前に担当者へ連絡する手順を案内してください。資料にない担当者名、連絡先、受付時間は補わず、担当者への確認が必要と伝えてください。
この後に返却ルールの原稿を続け、次の3つの質問で試します。下の「期待する答え」は、架空の手順から組み立てた例です。実際の応答では言い回しが同じかではなく、必要な内容と順序が合っているかを見ます。
| 試す質問 | 期待する答え | 確かめていること |
|---|---|---|
| どこへ返すの? | 受付横の返却箱を案内し、返却後に管理表を返却済みへ変えると伝える | 場所と操作を順番どおりに言えるか |
| 壊れていたら? | 箱へ入れる前に担当者へ連絡すると案内する | 例外の手順を取り違えないか |
| 担当者の電話番号は? | 資料にない番号を補わず、担当者への確認が必要と伝える | 資料の外へ出る質問で作り話をしないか |
ポイントは、普通の質問と、資料の外へ出る質問の両方を用意することです。3つめの質問で番号を作って答えてしまうなら、直すのは声ではなく会話の指示のほうです。
うまくいかないときの対処
| よくある状況 | 考えられる理由と対処 |
|---|---|
| 作成したのに声が聞こえない | 作成時の応答にはIDなどのメタデータだけが入り、音声やプレビューは含まれません。GPT-Liveのセッションを始めてIDを指定し、話させて聞きます |
| Text to Speech APIで使おうとしたら使えない | 文章から作った声はGPT-Live専用で、Text to Speech・Realtime・Chat Completionsの各APIでは使えません |
| 同じ会話の途中で声を変えたい | 声はセッションの開始時に選びます。別の声を試すときは新しいセッションを始めます |
| 聞き比べても違いが分からない | 特徴を一度に一つだけ変え、同じ短い原稿で比べます。話す速さなど、聞き取りに効く項目から試すと判断しやすくなります |
| 作った声がたくさん増えた | 作成のたびに新しい声が保存され、文章から作った声は1組織100件までです。採用したIDと説明文を記録しておきます |
案内の文章そのものを整えるところから始めたい場合は、インスタDMの返信文をAIで作る方法も参考になります。「確定している情報だけで答える」という考え方は、声の案内の会話ルールにもそのまま使えます。
よくある質問
- Q1. prompt-to-voiceはChatGPTのアプリで使えますか?
- 公式に案内されているのは、OpenAI APIとvoice Playgroundでの作成と、APIのGPT-Liveでの利用です。ChatGPTアプリの音声会話で選べる声(ひまり・りんどうなど)とは別の仕組みです。
- Q2. 声を作るのにお金はかかりますか?
- 公式には、声の作成は無料と書かれています。ただし、Playgroundでの試聴を含め、GPT-Liveで話させると通常のセッション料金がかかります。料金ページでは、gpt-live-1の音声セッションは1分あたり$0.05で、秒単位の課金です(2026年10月17日時点の記載)。
- Q3. 有名人やキャラクターに似た声を作れますか?
- 公式ガイドは、実在の人物・著名人・架空キャラクターの声まねを頼まず、声の特徴そのものを書くよう求めています。子どもの声も使えません。また、聞き手にはAIで作った音声だと伝えるよう案内されています。
- Q4. 日本語で声の説明文を書いてもよいですか?
- 公式ガイドの説明文の例は英語で、日本語で書いた場合の仕上がりについては記載がありません。動画では日本語の依頼文を例にしていますが、作った声は自分の用途で聞いて確かめてから使ってください。
- Q5. 既成の日本語の声「Harema」「Shida」とは何が違いますか?
- HaremaとShidaは、OpenAIがGPT-Live向けに用意した既成の声です。prompt-to-voiceは、自分で書いた説明文から新しい声を作る機能です。既成の声で足りるなら、声を作らずにそちらを指定する方法もあります。
まとめ|声は文章で作り、案内として使えるかを質問で確かめる
OpenAIのprompt-to-voiceで案内役の声を作るときは、①声の説明文と読み上げ原稿を分け、②APIかvoice Playgroundで声を作り、③voice IDと元の説明文を一緒に保存し、④新しいGPT-Liveのセッションで聞いて、場所・操作・順序が聞き取れるかを確かめます。声の印象は作成時の説明文に、答えの根拠と範囲はセッションの指示に書き分け、資料の外へ出る質問まで試すのがポイントです。作成は無料でも試聴と発話には料金がかかるため、APIの料金と利用条件は使う前に公式の最新の記載で確認してください。
依頼文の言い方や流れは、2026年10月17日公開の無料動画でも確認できます。ほかの動画記事はS.Enseのトップページから読めます。
この記事は、2026年10月17日公開の無料動画のうち無料で見られる部分と、2026年10月17日に確認したOpenAI公式のAPI changelog・Custom voicesガイド・料金ページの記載をもとにしています。備品返却のルール・依頼文・期待する答えは、すべて説明用の架空例です。機能・料金・利用条件は更新されることがあるため、使う前に公式の最新の記載を確認してください。

