Claude CodeやCodexで作業している途中にGeminiも使いたいなら、いちばん手早いのは、Googleの公式コマンドgemini-apiを入れて、作業の中から一行で呼ぶ方法です。ブラウザでGeminiを開き直して資料を貼り付け、答えをまた戻す往復がなくなります。始め方は「入れる」「APIキーを設定する」「一行で呼ぶ」の三つの手順で、PDFの要約ならgemini-api analyze -i 報告書.pdf "要点を3行で"のような一行で済みます。GoogleのGemini APIの変更履歴によると、このGemini API CLIは2026年10月27日付でベータ版として公開されました。
この記事は、2026年10月29日(日本時間)にS.EarchのYouTubeチャンネルで公開された無料動画「Geminiの使い方|Claude CodeやCodexから一行で呼べる公式コマンド「gemini-api」」の無料公開部分(冒頭から約5分45秒)を核にしています。コマンド名・手順・注意点は、2026年10月30日に確認したGoogleの公式ページ(Gemini API CLIのガイド、変更履歴、GitHubの公式リポジトリ)の記載で裏付けた範囲に限っています。
Gemini API CLI(gemini-api)とは
Gemini API CLI(コマンド名はgemini-api)とは、Googleが公開した、Gemini APIをターミナルのコマンド一行で呼ぶための公式の道具です。Claude CodeやCodexのように、シェル(文字でコマンドを打つ画面)を使えるAIエージェントが、作業の途中でGeminiのモデルやエージェントを呼び出せるように作られています。
公式ガイドでは、Antigravity、Claude Code、Codex、Cursor、OpenClaw、Hermes、またはシェルを使えるどの環境でも動くと書かれています。たとえるなら、職人さんを替えるのではなく、いつもの道具箱に別の会社の電動工具が一本増える、という変化です。普段どおりClaude Codeに頼み、必要な場面だけClaude Codeが自分でgemini-apiを呼んで、結果を受け取ります。
なお、名前の似た@google/gemini-cli(Gemini CLI)は、それ自体が対話しながら作業するコーディングエージェントです。公式ガイドは、gemini-apiは「対話型のエージェントではなく、状態を持たないAPIの呼び出し役」で、ほかのエージェントの中で動かすもの、と区別しています。
| 項目 | 内容(2026年10月30日確認) |
|---|---|
| 公開 | 2026年10月27日付の変更履歴に「Gemini API CLI(gemini-api)beta」として掲載 |
| 位置づけ | オープンソースのベータ版。小さな版の更新でも互換性のない変更が起こりうる、と公式が注意 |
| 最新版 | GitHubのリリースではv0.4.4(日本時間2026年10月24日公開) |
| 動く場所 | macOS・Linux・Windows(Windowsは公式のPowerShell用コマンドで導入) |
| 使うもの | Google AI Studioで作る自分のGemini APIキー |
できることは三つ|作る・読む・任せる
公式ガイドのコマンド一覧を、動画と同じく三つに分けると次のとおりです。どれもClaude Codeから見れば、一行のコマンドを打つだけです。
| 分類 | 主なコマンド | 使い道の例 |
|---|---|---|
| 作る | generate(文章)、image(画像の生成・編集)、tts(音声)、music、video |
資料の表紙に使うアイコンを1枚作る |
| 読む | analyze(PDF・画像・音声・動画・CSV・公開YouTubeのURLへの質問)、transcribe(文字起こし) |
報告書のPDFを渡して要点をまとめてもらう |
| 任せる | agent run・agent status・agent cancel |
時間のかかる調べものをGeminiの管理型エージェントに裏側で進めてもらう |
もう一つの特徴は、前の呼び出しの状態を手元に残さないことです(公式ガイドの言葉では「stateless」)。毎回、一行のコマンドに、何をしてほしいかを全部書いて渡します。だからエージェントにとっては、決まった形の道具として扱いやすくなっています。画像や音声のコマンドは、ファイルを保存して、その保存先だけを画面に返す作りです。大きなデータで会話の中身があふれないようにするため、と公式ガイドは説明しています。
三つの手順で始める(macOS・Linux)
ここではmacOSとLinuxの場合で説明します。コマンドは公式ガイドに載っている形のまま引用しています。
手順1. 入れる
公式ガイドのインストールの項にある一行を、ターミナルに貼って実行します。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/google-gemini/gemini-api-cli/main/scripts/install.sh | bash
WindowsはPowerShell用の一行、Go言語を使う人はgo install、ほかに配布済みのファイルをGitHubのリリースから取る方法も公式に載っています。ベータ版なので、決まった手順で何度も動かす場合は、公式の案内どおり版を固定して入れるのが安全です(インストール用の一行にGEMINI_VERSION=でリリースの番号を指定できます)。
手順2. APIキーを設定する
Google AI Studioで自分のGemini APIキーを作り(作り方は公式のAPIキーのページ)、GEMINI_API_KEYという名前の環境変数に入れます。公式ガイドでは、普段使うシェルと、エージェントが動かす処理(サブプロセス)の環境の両方に設定するよう書かれています。
export GEMINI_API_KEY="YOUR_API_KEY"
自分のパソコンなら、gemini-api configure --api-keyでOSのキーチェーン(macOSのキーチェーンなど)に保存する方法もあります。設定できたかはgemini-api whoamiで確かめ、--dry-runを付けると、通信せずに入力の確認だけができます。公式は、APIキーを秘密の情報として扱い、リポジトリやファイルに書き込まないよう警告しています。
手順3. 一行で呼ぶ
ここからは説明用の架空の例です。手元に四半期の報告書のPDFが一つあるとします。Claude Codeに、こう頼みます。
報告書のPDFを、gemini-api の analyze で読んで、大事な点を3行にまとめてください。数字は原文のまま書き、分からない点は分からないと書いてください。
するとClaude Codeが、analyzeというコマンドでPDFをGeminiに渡し、返ってきた要約を見せる、という流れです。公式ガイドには、次のような例が載っています。
gemini-api analyze -i ./docs/quarterly-report.pdf "Summarize the key findings in three bullets."
完成の見方は二つです。数字が報告書と同じか。報告書に書かれていないことが混ざっていないか。この二つを満たしていれば、3行の要約の完成です。
Claude Codeがgemini-apiを迷わず使えるように、公式ガイドは、使い方の短い指示をプロジェクトのCLAUDE.mdやAGENTS.mdに書き足すことも勧めています。指示の文面はガイドに載っているものを、そのまま使えます。
画像も一行で|個人と会社の使い方の例
もう一つの完成物は画像です。公式ガイドには、データベースを表すシンプルな立体風のアイコンを作る例が載っています。imageのコマンドに、作りたい絵の説明と、保存する場所を付けるだけです。
gemini-api image "Minimalist isometric icon of a cloud database" --out ./assets/db-icon.jpg
資料の色に合わせたいなら、その色も説明に一言足します。例えば、次のような使い方があります(どちらも架空の場面です)。
- 個人なら、Claude Codeでセミナーの資料を作っている途中に、表紙のアイコンだけGeminiに作ってもらう。
- 会社なら、毎週の報告資料を作る流れの中で、届いた取引先のPDFを要約させる。
どちらも、ブラウザを開き直して別の画面に貼り付け、また戻す、という手間が減ります。大事なのは頼む文の書き方で、次の三つを先に決めておくと、Claude Codeへの依頼もGeminiへの指示もぶれにくくなります。
| 頼むもの | 先に決める三つ |
|---|---|
| 画像 | 何の絵か/どんな雰囲気か/どこに保存するか |
| PDFの要約 | 何行で/何を残すか/何を推測しないか |
返ってきた答えを使うか決める基準
AIの答えを見るたびに迷わないよう、採用と却下の基準を先に決めておきます。動画で紹介した基準は次の三つです。
- 元の資料と合っているか。要約なら、数字・日付・会社名が報告書と一字ずつ同じかを見ます。一つでも違えば、その要約は使いません。
- 書かれていないことが足されていないか。報告書にない来期の見通しが、それらしく書かれていたら、その行は削ります。
- 目的に合う長さか。3行と頼んで5行返ってきたら、3行に絞るよう頼み直します。逆に、3行に収めるために大事な数字が消えていたら、それも頼み直す理由です。
画像なら、余計な文字が入っていないか、資料の色に合うか、の二つを見ます。採用するのは、この基準を満たしたものだけです。
使う前に知っておきたい注意点
動画のあとに公式ページで確かめた、つまずきやすい点をまとめます。
- ベータ版であること。公式ガイドは、小さな版の更新でも互換性のない変更が起こりうるとして、自動で動かす環境やCIでは版を固定するよう書いています。
- 渡せるファイルの大きさ。手元のファイルをそのまま送れるのは14MBまで(base64に変換したあとで20MBまで)です。それより大きい動画などは、
gemini-api files upload --waitで一度アップロードし、返ってきたfiles/<id>を使い回します。GitHubの公式リポジトリの説明では、Files APIに上げたファイルの保存期間は48時間です。 - やり取りの保存の設定。変更履歴の2026年10月26日の項によると、有料の枠で新しく作ったプロジェクトは、Generate Content APIのリクエストが初期設定で保存される(
store=true)ようになり、Interactions APIとそろいました。gemini-apiはInteractions APIの上で動く作りで、保存させたくないやり取りは--bodyで"store": falseを渡せると公式ガイドに書かれています。保存の止め方と保存期間の選び方は、Gemini APIのログ保存の止め方の記事で詳しく説明しています。 - 利用料。呼び出しは自分のAPIキーで行うため、Gemini APIの料金ページの条件に沿って利用分がかかります。使うモデルや無料の枠の範囲は、使う前に料金ページで確かめてください。
- 失敗の見分け方。終わったときの番号(終了コード)は、成功が0、実行やAPIの失敗が1、使い方や入力の誤りが2、認証や権限の失敗が3です(公式リポジトリの説明)。Claude Codeに任せるときも、この番号で失敗を見分けられます。
そのまま使える依頼文
Claude Codeにそのまま貼れる依頼文の例です。どちらも説明用の例なので、ファイル名や行数は自分の作業に合わせて直してください。
PDFを要約するとき:
docs フォルダの報告書PDFを gemini-api analyze で読み、大事な点を3行にまとめてください。数字・日付・会社名は原文のまま書き、報告書に書かれていないことは足さないでください。分からない点は「不明」と書いてください。
表紙のアイコンを作るとき:
gemini-api image で、セミナー資料の表紙に使うシンプルなアイコンを1枚作り、assets フォルダに保存してください。色は紺と白で、画像の中に文字は入れないでください。保存した場所を教えてください。
よくある質問
- Q1. Gemini CLIとGemini API CLIは同じものですか?
- いいえ。Gemini CLI(
@google/gemini-cli)は、それ自体が対話しながら作業するコーディングエージェントです。Gemini API CLI(gemini-api)は、Claude CodeやCodexなど別のエージェントの中から、Geminiのモデルやエージェントを呼ぶための道具です。公式ガイドでも区別して説明されています。 - Q2. Claude Codeの中でないと使えませんか?
- いいえ。公式ガイドでは、Claude CodeやCodexのほか、Cursor、Antigravityなど、シェルを使えるどの環境でも動くとされています。自分でターミナルに打っても、シェルスクリプトやCIの中で動かしても同じコマンドで使えます。
- Q3. 毎回、前の話の続きを覚えていてくれますか?
- 初期設定では覚えていません。前の呼び出しの状態を手元に残さない作りなので、毎回、一行のコマンドに頼みたいことを全部書いて渡します。続きとしてつなげたいときは、前の呼び出しのIDを
--previous-interaction-idで渡す方法が公式ガイドに書かれています。 - Q4. 社外秘の資料を渡しても大丈夫ですか?
- 渡す前に、自分のプロジェクトでやり取りが保存される設定かどうかを確かめてください。有料の枠で新しく作ったプロジェクトは、初期設定で保存されるようになっています(2026年10月26日の変更履歴)。保存させたくない場合は
"store": falseを渡す方法があります。社内の決まりで外部のAIに渡せない資料は、使わないのが前提です。 - Q5. Windowsでも使えますか?
- 使えます。公式ガイドにPowerShell用のインストールの一行が載っています。この記事と動画の手順はmacOSとLinuxの場合で説明しています。
まとめ|入れる・鍵を設定する・一行で呼ぶ
Gemini API CLI(gemini-api)を入れると、Claude CodeやCodexの作業の流れの中から、Geminiに画像を作らせたり、PDFを読ませたり、時間のかかる調べものを任せたりできます。始め方は、入れる・GEMINI_API_KEYを設定する・一行で呼ぶ、の三つです。返ってきた答えは、元の資料と合っているか、書かれていないことが足されていないか、目的に合う長さか、で判断してから使ってください。ベータ版なので、自動で動かす環境では版を固定しておくと安心です。Claude Codeに長い処理を任せる別の方法は、Claude CodeのMCPタスクの使い方の記事でも紹介しています。
流れは、2026年10月29日公開の無料動画でも確認できます。ほかの動画記事はS.Enseのトップページから読めます。
この記事は、2026年10月29日公開の無料動画のうち無料で見られる部分をもとにしています。コマンドと手順は、2026年10月30日に確認したGoogleの公式ページ(Gemini API CLIのガイド、Gemini APIの変更履歴、GitHubの公式リポジトリ)の記載で確かめました。報告書の要約やアイコン作りの場面、依頼文は説明用の架空の例です。ベータ版のため仕様は変わることがあるので、使う前に公式の最新の記載を確認してください。

